【銀行新規開拓シリーズNo5】事前の財務4点検から面談、実行まで。銀行紹介制度の6ステップを元銀行員が解説します【YouTube更新】
銀行紹介制度とはどういう仕組みで、どんな会社が対象になり、紹介前に何を整えておけばよいのか?
動画の結論は「全国の金融機関とのパイプは、会社が自力では作れない資産」です。銀行紹介制度は、元銀行員として33年、3,000社の支援実績を持つ篠﨑氏が、①事前面談②財務の整理③金融機関の選定④打診⑤面談への同席⑥実行とその後、という6ステップで進める仕組みで、最も時間をかけるのは打診ではなく②の財務の整理だと解説されています。対象となるのは、取引行が1〜2行に偏っている、設備投資や増加運転資金の予定がある、メイン行の姿勢の変化に不安がある、決算書と試算表をきちんと出せる会社。一方、税金・社会保険の滞納が解消していない、資金使途が説明できない、他行への説明が一本化されていない、改善計画のない大幅赤字・債務超過の会社は現時点では対象外とされます。面談には直近3期の決算書と直近の試算表、全行の借入金明細など6点を持参。紹介前には、経常運転資金の算定、短期資金が長期になっていないかの確認、債務償還年数とDSCRの把握、説明の一本化という「財務の4点検」を整えてから動くことが重要だと語られています。
この動画の要点(篠﨑氏の発言から)
しのざき総研の篠﨑氏は『銀行勤務を経て 独立後財務コンサルティング一筋で 金融機関との関係は 時間でしか作れないんだよね』と指摘する
(動画 1:13 付近/33年の経歴を説明し、銀行とのパイプが時間でしか作れない資産であることを述べた場面)
しのざき総研の篠﨑氏は『どの銀行が今、どの業種 そしてどの規模を取りたいのか これが分かることが 私にとっての経験から生まれてくる 価値なんですね』と指摘する
(動画 2:06 付近/全国対応できる範囲と3,000社の支援実績が、案件ごとの当たりをつける精度になっていると説明した場面)
しのざき総研の篠﨑氏は『最も時間をかけるのは打診じゃなくて ②の財務の整理です』と指摘する
(動画 10:22 付近/銀行紹介制度の6ステップを解説した直後、どこに最も時間をかけるかを示した場面)
しのざき総研の篠﨑氏は『すなわち整えてから動く 順番を逆にすると 条件も印象も損するんで』と指摘する
(動画 17:42 付近/紹介前にやっておく「財務の4点検」を説明し終えたまとめの場面)
しのざき総研の篠﨑氏は『銀行開拓は、 根性でも人脈でもなく設計 整えて、選んで、 経緯とともに届ける この順番さえ守れば同じ決算書でも 銀行の返事は変わります』と指摘する
(動画 21:17 付近/全5回シリーズ全体を締めくくる篠﨑氏の視点として語られた場面)
よくある質問(この動画が答えていること)
Q. 銀行紹介制度とはどんな仕組みですか?
A. 動画では、しのざき総研の銀行紹介制度は①事前面談②財務の整理③金融機関の選定④打診⑤面談への同席⑥実行とその後、の6ステップで進むと解説されています。事前面談では現在の取引行、資金需要の内容と時期、これからの計画を聞き取り、決算書・試算表から現状を分解して説明できる形に資料を整えたうえで、エリア・業種・支店の状況から可能性の高い先を絞り込み、当社から支店へ経緯と案件概要を伝えて面談を設定する流れです。実行して終わりではなく、取引を育てる進め方まで伴走するとされています。
Q. 銀行紹介制度で最も時間がかかるのはどの工程ですか?
A. 動画では「最も時間をかけるのは打診じゃなくて②の財務の整理です」と明言されています。融資を出すことは金融機関にとってもナーバスな話で、出したら出しっぱなしにはできず信用を与える行為になるため、数字を説明できる形に整える工程に最も時間を割くという考え方です。なお、整える必要がない場合はそのまま仲介することもあると述べられています。
Q. 銀行を紹介してもらえるのはどんな会社ですか?
A. 動画で挙げられている対象となる会社は、①借入はあるが取引行が1〜2行に偏っている②設備投資や増加運転資金の予定がある③メイン行の対応や姿勢の変化に不安がある④金融再編・統廃合の影響を受けるエリアにある⑤決算書と試算表をきちんと出せる、の5点です。取引行のバランスが取れているなら無理に増やす必要はないとされ、資料が「作れなくても出せない」会社は難しいと語られています。
Q. 銀行紹介の対象外になるのはどんな会社ですか?
A. 動画では、①税金・社会保険の滞納が解消していない②資料の提出ができない、時間がかかりすぎる③資金使途が説明できない(穴埋め資金)④他行への説明が一本化されていない⑤改善計画のない大幅赤字・債務超過、の5点が現時点では対象外と説明されています。滞納はそもそも融資が受けられないため紹介できないとのことです。また、連絡が取れない会社、当日中に連絡が返ってこない会社も紹介しないと述べられており、銀行を待たせることは失礼になるためだと解説されています。ただし対象外の項目は順番に片づければ対象になっていくとも語られています。
Q. 債務超過でも銀行を紹介してもらえますか?
A. 動画では、5年以内で債務超過が明確に解消でき、しかるべき資料が作れて、コンサルを受ける気のある会社だけに限定して対応すると説明されています。経営計画はPESTLE分析、5フォース分析、3C分析、VRIO分析、SWOT・クロスSWOT分析、4P分析、アクションプラン、損益計画と資金繰り表まで作り込むもので、一過性ではなく連続性で精度の高いものを作るのは「その辺の会計事務所じゃ無理」だと語られています。
Q. 銀行紹介の面談には何を持っていけばいいですか?
A. 動画で挙げられている持参資料は6つです。①直近3期分の決算書(原本の控えを全部コピー、勘定科目内訳明細書まで)②直近の試算表③全行の借入金明細(返済予定表もあわせて)④資金繰り表⑤会社概要・商流の資料(仕入先・販売先と入出金の条件が分かるもの)⑥資金の使い道のメモ(何にいくら、いつ必要かを箇条書きで)。揃っているほど選定と打診のスピードが上がると解説されています。
Q. 試算表はいつ時点のものを用意すべきですか?
A. 動画では、決算から3ヶ月経過している場合は直近の試算表、それも前月のものが必要で、前々月のものはいらないと説明されています。前月分が出てこないようなら会計事務所を変えましょうとまで語られ、「鮮度の悪い肉とか魚食べたい?」というたとえで、放置は数字の陳腐化だと解説されています。ただし会計事務所のせいにせず、出せない自分が悪いと捉えて相談すべきだとされています。
Q. 銀行に紹介してもらう前に会社側で整えるべきことは何ですか?
A. 動画では「財務の4点検」として、①経常運転資金を算定し借入の性質を分ける②短期で回すべき資金が長期になっていないか確認する③債務償還年数とDSCRを把握しておく④説明を一本化する、の4つが挙げられています。どの銀行に対しても同じ説明ができる状態にするにはシナリオ=計画が必要で、ポイントを5個や7個に絞って体系立てて説明できないと辻褄が合わなくなると指摘されています。整えてから動く、順番を逆にすると条件も印象も損をするとまとめられています。
Q. 経常運転資金はどうやって計算すればいいですか?
A. 動画では、経常運転資金は売掛金(売上債権)+在庫(棚卸資産)−買掛金(仕入債務)で算定し、運転資金と設備資金を混ぜたままでは必要額が説明できないと解説されています。重要なのは直近の決算からは計算しないこと。着地予想の決算書、つまり予想貸借対照表を作り、直近の経常運転資金と今期着地予想の経常運転資金がどれだけ増減するかを見て融資の設定を決めるべきだと述べられています。この予想BSは1割の会社も作れていないとのことです。
Q. 短期で回すべき資金を長期借入にすると何が問題ですか?
A. 動画では、本来は当座貸越や短期継続融資で回すような資金を長期借入にしてしまうと、返済負担が重たくなって本当に赤字になり、必要になったときに融資が受けられなくなると解説されています。指示書でも、長期にすると返済負担が重くなり格も上がらないと整理されており、借入の期間と資金の性質を一致させることが紹介前の点検項目になっています。
Q. DSCRとは何ですか?何倍あればいいですか?
A. 動画では、DSCRは元利金の支払い前のキャッシュフローを、年間の元金と利息の返済額で割って何倍になるかを見る指標で、最低2倍以上が目安だと解説されています。ところが実際はほとんどの会社が0.8倍以下、0.6倍といった水準で、儲けてキャッシュフローが出ていても会社規模に対して返済負担が倍以上になっているため追加融資が受けられない、という状態に陥っていると指摘されています。銀行に聞かれる前に自社の水準を自分で言えるようにしておくべき指標です。
Q. 債務償還年数は何年以内が目安ですか?借入は全部含めますか?
A. 動画では、世間一般では10年以内とされるものの、できれば7年以内が望ましいと解説されています。長期で運転資金を借りていても、どんなに長くて7年、DSCRが2倍以上なら問題ないとの説明です。また、運転資金の月商倍率を3つ目の財務指標として押さえ、経常運転資金は2ヶ月以内に収めるのが元来の姿とされています。計算に含める債務については、役員借入金は除いて銀行借入で見る、債務償還年数の計算時は運転資金をマイナスする、一方DSCRは利息を払っているなら全部入れた方がよいと述べられています。
Q. 銀行を紹介してもらうとメインバンクとの関係が悪くなりませんか?
A. 動画では「ならない」と明確に答えられています。目的は乗り換えではなく取引行の複線化であり、メインでの格を上げながら外に選択肢をつくる進め方をするためです。むしろ『銀行の選択』の最たるものだと説明されています。
Q. 銀行を紹介してもらえば必ず借りられますか?
A. 動画では「保証はできない」と明言されています。保証協会がOKになれば、本部がOKになれば、という前提条件がある以上、「多分大丈夫」「精度は高い」と言うのは保証と同じになってしまうという理由です。ただし、紹介によって経緯で切られる段階は越え、内容で判断される土俵に乗ることはできるとされています。融資の判断は各金融機関が行うため、可能性の追求と捉えてほしいと語られています。
Q. 地方の会社でも銀行を紹介してもらえますか?相談は何から始めますか?
A. 動画では、地方でももちろん対応可能と答えられています。前の再生会社時代に250ほどのパイプを自分で作っており、北は北海道から南は沖縄まで対応、沖縄では沖縄銀行・琉球銀行・沖縄海邦銀行・コザ信金とのつながりがあると語られています。まず何から始めるかについては、決算書3期分と試算表を持って事前面談に来てくださいとのこと。面談は基本有料で、融資額の成功報酬ではなく、資料作成の手伝いと資料の精査・トリミング、銀行の紹介をセットにしたコンサル料をいただく形だと説明されています。
解説者
篠﨑啓嗣(株式会社しのざき総研)
財務博士・元銀行員(株式会社しのざき総研 代表)。専門分野:財務・銀行融資。
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