【中小企業の経営戦略】損失890兆円の超エルニーニョ。中小企業経営への影響について業種別の逆風と追い風を徹底解説します【YouTube更新】
超エルニーニョに、中小企業は経営計画の面でどう備えればよいのか?
さらに、年末までに太平洋の海面水温が2℃以上上がり、水温上昇が世界の食料価格に届くまで約1年半かかるとされています。影響は原材料・物流・エネルギー・暖冬による需要変化の4ルートで届きます。
1〜3月の平均気温が1度上がると実質GDPが約0.6%(約8,500億円)押し下げられるという試算も紹介され、今回は需要減とコスト高が同時に来ると解説されています。対策としては、事実を拾う→自社の数字に訳す→戦略と戦術に分ける、の3ステップが示されています。
加えて、楽観・基本・悲観の3シナリオで計画を持つこと(年商3億円の製造業モデルでは、原材料費率が3ポイント上がると返済原資900万円が消える)と、価格・在庫・調達・資金の4つにこの冬から90日で取り組むことが挙げられています。
この動画の要点(篠﨑氏の発言から)
しのざき総研の篠﨑氏は
『今回の結論は、 天候ってもう変えられないでしょ 変えられるのは 「自社の数字の前提」』
と指摘する(動画 5:21 付近/外部環境の変化を自社の戦略・戦術にどう反映させるか、という本編の結論)
しのざき総研の篠﨑氏は
『多くの社長は ステップ①で止まってる 「大変だね」って終わっちゃうんだよ』
と指摘する(動画 18:19 付近/ニュースを経営に落とす3ステップを説明した後の、篠﨑氏の視点)
しのざき総研の篠﨑氏は
『だから、原材料費が 売上の3%分上がるだけで 返済原資が吹っ飛ぶってことよ だから価格転嫁は戦術じゃなくて 戦略になるわけね』
と指摘する(動画 23:56 付近/年商3億円・返済原資900万円のモデル企業の3シナリオ試算を受けたまとめ)
しのざき総研の篠﨑氏は
『銀行は悪くなってから来る会社には慎重です 3本のシナリオを持って 先に来る会社には 枠を出しやすいということです』
と指摘する(動画 29:15 付近/90日でやる4つのこと(価格・在庫・調達・資金)の締めくくりで、融資枠の相談時期について)
しのざき総研の篠﨑氏は
『外部環境は 「読む」ではなく「訳す」』
と指摘する(動画 29:27 付近/動画のまとめ。ニュースを原価率・月別売上・資金繰りの変化に置き換えることを指す)
よくある質問(この動画が答えていること)
Q. 超エルニーニョの経済損失890兆円とはどういう数字?
A動画では、890兆円は世界全体で見た経済損失の試算で、篠﨑氏は「国家予算の6倍ぐらい」と表現しています。
出典はTBS CROSS DIG with Bloomberg(2026年9月)と日本総研(2026年7月)です。あわせて、年末までに太平洋の海面水温が2℃以上上がる予測と、水温上昇が世界の食料価格に届くまで約1年半かかることも紹介されています。
インドの洪水、アフリカの干ばつ、欧州の山火事、パナマ運河の通航制限、ペルー沖の不漁による魚粉価格の高騰も、すでに起きていることとして挙げられています。
Q. エルニーニョは中小企業の経営にどんな形で影響する?
A動画では、影響は4つのルートで届くと解説されています。
篠﨑氏は、カカオ価格の上昇で売価が上がっている顧問先の例にも触れています。
Q. 暖冬になると日本の景気はどれくらい影響を受ける?
A動画で紹介された第一ライフ資産運用経済研究所の試算によると、1〜3月の平均気温が1度上がると実質GDPは約0.6%(約8,500億円)押し下げられます。
篠﨑氏は、今回は「需要減」と「コスト高」が同時に来る点を強調しています。冬物が売れないなど需要が落ちる一方で、原材料や物流のコストは上がるため、売上と利益の両方に圧力がかかるという見立てです。
Q. 超エルニーニョで逆風になる業種・追い風になる業種は?
A動画で示された警戒度(篠﨑氏の目安)は次のとおりです。
食品製造・外食は高(小麦・魚粉などのコスト高。暖冬で外食客は増えるかもしれないが、食材が無ければ出せない)。小売・アパレルは高(冬物・暖房器具や除雪機の売れ残り。春物の前倒しが追い風)。運送・物流は中〜高、製造業は中(国内調達への切り替え需要)。
観光・レジャーは雪不足で二極化、建設は中(資材価格は上がるが、冬季の工事が止まらない)とされています。同じ業種でも、仕入の輸入比率と価格転嫁力によって大きく変わると注記されています。
Q. 気候や経済のニュースを経営計画にどう落とし込めばいい?
A動画では3ステップが示されています。
STEP1は事実を拾うことで、何が・いつ・どれくらい動くかを「不安」ではなく「変数」として書き出します(例:小麦は来年から値上がり、この冬は暖冬)。
STEP2は自社の数字に訳すことで、原価率・月別売上・在庫・資金繰りのどこが何%動くかに置き換えます(例:原材料費率+3ポイント、12〜2月の売上▲10%)。STEP3は戦略と戦術に分けることです。篠﨑氏は「多くの社長はステップ①で止まってる」と指摘しています。
Q. 経営計画の「戦略」と「戦術」はどう違う?
A動画では、戦略を「年単位で変えるもの」で、何を誰に売るかを決めること、戦術を「月単位で動かすもの」で、価格・在庫・調達・資金を扱うことと定義しています。
篠﨑氏は、過去の振り返りも、季節変動要因やPESTEL分析の環境的要因も、中長期の天気予報・国際情勢も見ないまま経営計画を作る中小企業が多いと指摘し、そうした計画を厳しく批判しています。
Q. 楽観・基本・悲観の3シナリオで経営計画を作るとどうなる?
A動画では、年商3億円・製造業・年間の返済原資900万円のモデル企業で試算しています(価格転嫁ゼロの場合)。
楽観シナリオは原材料費率+1ポイントで利益への影響が▲300万円、返済原資は600万円。基本シナリオは+3ポイントで▲900万円、返済原資は0円。悲観シナリオは+5ポイントで▲1,500万円、返済原資は▲600万円です。
篠﨑氏は、エルニーニョを考えるなら基本どおりにはまずいかない前提で、この振れ幅を見ておくべきだと話しています。
Q. なぜ価格転嫁は「戦術」ではなく「戦略」なの?
A動画では、原材料費が売上の3%分上がるだけで、モデル企業の返済原資900万円が吹き飛ぶことを根拠にしています。
値上げはその場しのぎの手段ではなく、利益と借入返済の前提そのものを左右するため、年単位の戦略として考えるべきだという説明です。篠﨑氏は「価格転嫁は戦術じゃなくて戦略になる」と述べ、戦略的に考えて動くよう促しています。
Q. 異常気象に備えて、戦略として何を決めておくべき?
A動画では、戦略で決めることとして4点が挙げられています。
篠﨑氏は、中小企業には大変だと理解したうえで、こうした事態は今後頻繁に起き、中小企業がふるいにかけられると警告しています。
Q. 超エルニーニョの冬に向けて90日でやるべきことは?
A動画では4つが挙げられています。
Q. 業績が悪化する前に銀行へ融資の相談をしたほうがいいのはなぜ?
A動画で篠﨑氏は「銀行は悪くなってから来る会社には慎重」と述べ、3本のシナリオを持って先に来る会社には融資枠を出しやすいと解説しています。
目安として、手元資金は月商2〜3ヶ月分を挙げています。当座貸越(当貸)や短期継続融資の枠は、業績が落ちる前に相談するよう勧めています。本業を優先して財務が後回しになりがちな点にも注意を促しています。
Q. 火災保険を評価額より低くかけていると保険金はどうなる?
A動画では、水災などに備えて火災保険をかけていても、評価額より低い金額でかける「一部保険」だと、満額は受け取れないと解説されています。
例として、評価額1億円の建物に5,000万円しかかけていない場合、受け取れる割合は2分の1になり、建物が使えなくなっても受け取れるのは2,500万円だけになります。篠﨑氏は、思っていた金額の半分以下しか受け取れない人も多いと指摘しています。
なお、篠﨑氏は現在は保険の免許を持っていないと断ったうえで話しています。
解説者
篠﨑啓嗣(株式会社しのざき総研)
財務博士・元銀行員(株式会社しのざき総研 代表)。専門分野:財務・銀行融資。
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