【社長が知りたい銀行融資No.1】銀行はあなたの会社をこう採点している。銀行評価がわかる5つの指標と合格ラインについて元銀行員が解説します【YouTube更新】
自分の会社は、銀行からどう評価されているのか。それを社長自身で知る方法はあるのか。
動画の結論は明快です。銀行の評価を決めているのは決算書の表面ではなく「実態のバランスシート(不良資産を差し引いた後の貸借対照表)」であり、配点の7〜8割は数字による定量評価。だから社長は自分で採点できる、と解説されています。信用格付は銀行の内部管理情報で開示義務がなく、担当者にも言えないルールがあるため聞いても出てきませんが、「開示されないだけで、推定はできる。銀行と同じ順番で同じ計算をすれば自社の位置はほぼ分かる」とされています。評価の流れは①決算書の提出(3期分の決算書・勘定科目内訳・税務申告書)②定量評価(約13の財務指標)③実態修正と定性評価④信用格付(概ね10〜12段階)⑤債務者区分の5ステップ。定量評価は安全性と返済能力の2分野が重く、売上の大きさはほとんど点になりません。自己採点の5指標は、実態ベースの自己資本比率20%以上、債務償還年数10年以内、DSCR1.3倍以上、売上高経常利益率3%以上、営業キャッシュフロー2期連続プラスと示されています。
この動画の要点(篠﨑氏の発言から)
しのざき総研の篠﨑氏は『売り上げの大きさは ほとんど点にならない 年商10億円の赤字より、 年商3億円の黒字の方が 評価が上になるところは 押さえておいてください』と指摘する
(動画 0:00 付近/冒頭の結論。定量評価では売上規模ではなく利益・率が見られることを端的に示した一言。)
しのざき総研の篠﨑氏は『私の視点は開示されないだけで、 推定はできるわけよ 銀行と同じ順番で同じ計算すれば 自社の位置ってほぼ分かるからということよ』と指摘する
(動画 6:59 付近/格付が開示されない3つの理由を説明した後、それでも自己採点は可能だと述べた場面。)
しのざき総研の篠﨑氏は『①の中身、決算書の提出を ちゃんと中身を整える 決算対策こそ最大の融資対策になる』と指摘する
(動画 8:44 付近/評価の5ステップのうち社長が働きかけられるのは定量評価と実態修正だと説明した場面。)
しのざき総研の篠﨑氏は『差が出るのはほぼ決まって 在庫・仮払金・社長貸付の3つ 毎期ここをきれいにしておくだけで、 評価は変わります』と指摘する
(動画 13:17 付近/決算書の表面と実態バランスシートの差がどこから生まれるかを解説した場面。)
しのざき総研の篠﨑氏は『要注意先から先は 金利が高い安いという話はなくなるんで 借りられるかどうかの 世界になるから』と指摘する
(動画 16:17 付近/債務者区分5段階と融資の現実を説明した締めくくり部分。)
よくある質問(この動画が答えていること)
Q. 銀行に自社の格付けを聞いたら教えてもらえますか?
A. 動画では「基本はNG」と説明されています。信用格付は銀行の内部管理情報で開示義務がなく、担当者にも言えないルールがあるため、聞いても出てこないのが原則です。ただし「ご内密に」と資料を見せるケースなど、教えてくれるパターンも散見されるとのこと。銀行員と共通言語で話せるプロ同士なら「正常先です」程度の会話で通じるため、必要以上には聞かない、とも語られています。
Q. 銀行の評価は決算書の何を見て決まるのですか?
A. 動画の結論は「評価を決めているのは実態のバランスシート」です。社長は「黒字だから大丈夫」「純資産があるから大丈夫」と決算書の表面で判断しがちですが、銀行はそこから不良資産を差し引いた実態の数字で見ています。さらに配点の7〜8割は定量評価、つまり数字で決まるため、社長は自分で採点できると解説されています。
Q. 銀行の格付け(評価)はどのタイミングで更新されますか?
A. 動画では「評価の更新は年1回しかない」と説明されています。中間でランクアップ・ランクダウンすることもありますが、格付けが動くのは基本的に決算書を提出したときです。そこで下がると、その後1年間ずっと不利な条件で交渉することになる、と指摘されています。1年で債務超過が資産超過になるようなことはそうそう起きない、とも語られています。
Q. 決算書を出してから融資条件が決まるまで、銀行の中ではどんな流れですか?
A. 動画では5ステップで解説されています。①決算書の提出(3期分の決算書・勘定科目内訳・税務申告書)②定量評価(およそ13個の財務指標に当てはめ、安全性・収益性・成長性・債務償還能力を採点。ここで配点の7〜8割が決まる)③実態修正と定性評価(不良資産のマイナス控除、経営者・市場・取引状況を加味)④信用格付(概ね10〜12段階。ここで金利と融資方針の目安が決まる)⑤債務者区分。
Q. 社長が融資評価に働きかけられるのはどの部分ですか?
A. 動画では「社長が働きかけられるのは②定量評価と③実態修正・定性評価」と説明されています。そのために①の決算書の中身を整えることが重要で、「決算対策こそ最大の融資対策になる」と語られています。ただし決算書の見栄えが大事という意味であって、「勘定科目をいじれ」「粉飾しなさい」と言っているわけではない、と明確に注意が添えられています。
Q. 定量評価では、どの分野の配点が高いのですか?
A. 動画では4分野が挙げられています。①安全性(自己資本比率・ギアリング比率・固定長期適合率)は特に自己資本比率が大事、②収益性(売上高経常利益率・総資本経常利益率・売上高営業利益率)は配点は高くないがマイナスだと返済能力でも点が取れなくなる、③成長性は中小企業では配点が軽め、④返済能力(債務償還年数・インタレストカバレッジレシオ・営業キャッシュフロー)が最も配点が高い、と解説されています。安全性と返済能力が2大分野です。
Q. 売上が大きい会社ほど銀行の評価は高くなりますか?
A. いいえ、動画では「売上の大きさはほとんど点にならない」と断言されています。年商10億円の赤字より、年商3億円の黒字のほうが評価は上になる、というのが篠﨑さんの視点です。収益性も金額の大きさではなく「率」で見られると解説されています。
Q. 銀行が見る「実態」と決算書の表面では、どこで差が出るのですか?
A. 動画では「差が出るのはほぼ決まって、在庫・仮払金・社長貸付の3つ」と説明されています。不良在庫や滞留在庫、会社から社長への貸付金、内容不明の仮払金、減価償却の未償却分などを資産からマイナス控除していくと、総資産も純資産も減り、自己資本比率は半分以下になることもあります。スライドの例では表面16.7%だった自己資本比率が実態では下がる形で示されています。ここを毎期きれいにしておくだけで評価は変わる、とされています。
Q. 債務者区分は何段階で、それぞれどのくらいの割合ですか?
A. 動画では、正常先・要注意先・要管理先・破綻懸念先・実質破綻先・破綻先の本来6区分だが、破綻先は実質存在しないため概ね5区分、と説明されています。割合の目安として、正常先が60〜65%程度、要注意先が10〜15%程度、返済を止めている要管理先が10%程度、破綻懸念先が7〜8%程度と言われている、と語られています。
Q. 要注意先になると新規融資は受けられないのですか?
A. 動画では、要注意先は赤字・債務超過・返済遅延・貸出条件に問題がある先で、新規は慎重になり保証協会や担保などの「保全」を求められると説明されています。特に2期連続で営業利益が赤字、または2期連続で債務超過が続いている場合は新規融資は原則行わないとのこと。繰越欠損金がある場合も正常先には見られないため注意が必要、と指摘されています。
Q. 債務超過でも銀行から融資を受けられる可能性はありますか?
A. 動画では「なきにしもあらず」と語られています。条件として、5年以内に債務超過を解消する経営改善計画を提出し、金融機関がその計画を担保に取るようなイメージで進めること、加えて保証協会の空き枠などがあることが挙げられています。逆に要管理先(3ヶ月以上の延滞またはリスケ)以下は、基本的に融資を受けられないと捉えておくよう説明されています。
Q. 社長が自分で銀行評価を推定するには、どの指標を見ればいいですか?
A. 動画で挙げられている自己採点の5指標と合格ラインは、①自己資本比率(実態ベース)20%以上、②債務償還年数10年以内、③DSCR(返済余裕率)1.3倍以上、④売上高経常利益率3%以上、⑤営業キャッシュフロー2期連続プラス、です。補足として債務償還年数は7年以内が望ましく、DSCRもできれば2倍あったほうがよいと語られています。
Q. DSCR(返済余裕率)とは何ですか?どう計算しますか?
A. 動画では、DSCRは年間の営業キャッシュフローを、元金返済と利息を足したもので割った数値と説明されています。合格ラインは1.3倍以上ですが、できれば2倍はあったほうがよいとのこと。事例のA社は0.8倍で「負けちゃってる」状態、つまり返す力はあるのに返済スケジュールが重い典型で、こういう会社が世の中の9割だと語られています。対策は銀行の選択をしながら返済負担を軽くすることだと示されています。
解説者
篠﨑啓嗣(株式会社しのざき総研)
財務博士・元銀行員(株式会社しのざき総研 代表)。専門分野:財務・銀行融資。
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