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【運転資金の借り方シリーズNo.1】なぜ銀行は運転資金を長期で貸すのか|その理由について元銀行員が解説します【YouTube更新】

なぜ銀行は運転資金を長期借入金(長期・分割返済)で対応するのか

この動画の結論

動画では、長期か短期かを決めているのは企業の資金使途ではなく「銀行側の勝手な都合」だと解説されています。

経常運転資金(売上債権+棚卸資産−仕入債務)は事業を続ける限り寝たままで返ってこない資金なのに、運転資金でも借入金額・返済期間・毎月返済額を固定した証書貸付(返済期間5〜7年)で実行されるため、返済原資が利益と償却しかなく資金繰りが構造的に悪化する、という指摘です。

転換点は平成15年4月の金融庁の通達で、手形の書換を繰り返す短期借入が不良債権の先送りとみなされ、銀行は短期の枠を落として約定弁済付きの長期に一斉に切り替えました。

金融検査マニュアルは2019年(令和元年)に廃止され短期継続融資を否定する根拠はすでにないものの、篠﨑さんは「慣習法」として銀行内に残っているだけだと説明します。長期化の理由は保全・収益・事務・人材という銀行側の4つの都合と、分割返済が基本設計の保証制度。

動画では年商3億円で5,000万円を7年返済なら元金だけで年間714万円、1億円なら1,400万円超になり、経常利益率5%(1,500万円)でも詰まる試算が示されます。出発点は自社の借入残高のうちいくらが経常運転資金見合いかを分解することです。

この動画の要点(篠﨑氏の発言から)

しのざき総研の篠﨑氏は

『運転資金を長期で返すと利益を返済に吸われて資金繰りが構造的に悪化するので 気をつけてください』

と指摘する(動画 0:00 付近/動画冒頭で示される結論。運転資金を長期で借りることの構造的な問題を一言で述べている)

しのざき総研の篠﨑氏は

『長期か短期かを決めているのは企業の資金使途ではなくて銀行側の勝手な都合です』

と指摘する(動画 2:20 付近/本編の結論部分。返済期間を決めているのは借り手の事情ではないという核心の指摘)

しのざき総研の篠﨑氏は

『「我々が儲からないじゃん」って』

と指摘する(動画 18:31 付近/なぜ長期で経常運転資金に対応するのかを某地銀の常務に直接尋ねた際に返ってきた答え)

しのざき総研の篠﨑氏は

『「慣習法」という銀行員の中での習慣というか考え方 独自の』

と指摘する(動画 26:49 付近/金融検査マニュアルが2019年に廃止され根拠が消えたのに長期分割が残っている理由を説明した箇所)

しのざき総研の篠﨑氏は

『篠﨑の視点は、 銀行を責めても融資条件は変わりません変わるのは経営者が資金使途を分けて 説明できるようになった時』

と指摘する(動画 33:48 付近/第1回のまとめの締め。経営者側の行動が変わることが唯一の打ち手だという結論)

よくある質問(この動画が答えていること)

Q. なぜ銀行は運転資金を長期で貸すのですか?

A動画では、長期か短期かを決めているのは企業の資金使途ではなく「銀行側の勝手な都合」だと断言されています。

銀行側の都合は4つで、

①保全(毎月元金が入れば残高が自動的に減り万一の損失を小さくできる)
②収益(期間が長いほど利息総額が増え、保証料・手数料も取りやすい)
③事務(長期なら一度の稟議で数年分の残高を確保でき、期日ごとの書換判断が不要)
④人材(資金使途を分解して経常運転資金を算定できる行員が減った)。

4つのどれも企業の資金繰りを良くするための理由ではない、と解説されています。

Q. 運転資金が長期借入になったのはいつから、何がきっかけですか?

A動画では平成15年4月からルールが変わったと説明されています。

金融庁が、実需に伴わない短期借入について、半年や3ヶ月ごとに手形を書き換えて結局不良債権が表面化しなかった点を問題視し、「長期にしろ、分かっているのか」という厳しい通達を出したためです。篠﨑さんは平成15年3月に銀行を辞めており、その直後から運転資金が長期に移行していったと当事者として語っています。

Q. 経常運転資金とは何ですか?どう計算しますか?

A動画では、売上債権(受取手形+売掛金)+棚卸資産(在庫)−仕入債務(支払手形+買掛金)が経常運転資金だと示されます。

仕入→在庫→買掛の支払が先に来て回収が後になるため、常に立て替えたまま「寝ているお金」であり、売上が落ちない限りこの資金は事業から回収されない、と説明されています。つまり返ってこない資金であり、そこに毎月の返済を付けること自体に無理があるという整理です。

Q. 経常運転資金はなぜ短期借入のほうが理屈に合うのですか?

A動画では理由が4つ挙げられています。

①返す必要のない資金に返済期限を設けない(回転をかけて利息だけ毎月払う)
②手形貸付の期日書換や当座貸越なら元金返済が発生しない
③支払う利息は資金を使っている期間分だけで済む
④増加運転資金・季節資金も売上入金で返せる。

短期資金は売上代金で返し、長期資金はキャッシュフローで返すもの、という使い分けが語られています。

Q. 年商3億円の会社が運転資金5,000万円を7年で借りると返済はいくらになりますか?

A動画では、年商3億円で経常運転資金5,000万円を7年返済で借りると元金だけで年間714万円と示されます。

年商の3割にあたる1億円を借りれば返済は2倍で1,400万円超。年商3億円の会社が簡易キャッシュフローで1,400万円を出すのは厳しく、経常利益率5%でも1,500万円しか残らないため、1億円の運転資金を長期で借りると資金繰りが詰まる、と解説されています。

Q. 金融検査マニュアルは廃止されたのに、なぜ短期継続融資が戻らないのですか?

A動画では、金融検査マニュアルは2019年(令和元年)に廃止され短期継続融資を否定する根拠はすでにないと説明されます。

それでも長期分割が残っているのは制度上の要請ではなく、当時の実務慣行がそのまま残っているだけで、篠﨑さんはこれを銀行員の中の「慣習法」と呼んでいます。かつて短期継続融資は「返済しない融資=危険な融資」とみなされ、疑似資本・回収不能の先送りだと批判されて実務から締め出されました。

Q. 信用保証協会付の融資では短期継続融資や当座貸越は使えないのですか?

A動画では、当座貸越や根保証、短期継続融資の保証も存在するが金融機関が勧めてこない、と指摘されています。

理由は「長期融資でずぶずぶにしていた方が儲かるから」。保証協会は分割弁済が基本設計で保証料は期間に応じて発生し、当座貸越型の保証は限定的です。申込時に債務超過や2期連続赤字だと使えず、契約更新時に赤字なら更新されません。

無担保枠は8,000万円で決まっているため、枠を使うほど短期の余地は減ると説明されています。

Q. 据置期間をお願いしたら「条件変更と同じ」と言われました。本当ですか?

A動画では、聞き手が実際に銀行から「据え置き期間を設けることは条件変更をするのと同じとみなします」と言われた経験を紹介し、篠﨑さんは「全然違う、100%違う」と否定しています。

銀行員に経済的合理性に基づいて明確に答えてくれと求めても答えられず、「上司がダメって言いますから」で終わる。そこに理屈はなく自分たちの決めつけだ、という見立てが語られています。

Q. 運転資金を長期で借りるのが正しいケースはありますか?

A動画では、運転資金を長期で借りるのが妥当なのは赤字補填と減産資金、つまり会社の立て直しを図る後ろ向きな資金の場合だと限定されています。

経常利益が赤字で、一定期間元金据置をして5年・7年、ケースによって保証協会を付けて10年の長期分割払いにし、それも計画に基づいて金融機関に開示したうえで借りる。「これ以外というのはあり得ない」という整理です。

一方で財務内容が悪くなければ、一部を短期に切り崩し残りを長期で借換一本化する形で長期資金による資金コントロールも可能だと述べています。

Q. 人件費や販管費は借入で回してよいのですか?

A動画では、運転資金は本業の勘定科目の増減(仕入・在庫・買掛・売掛の動き)に対して貼り付けるものであり、人件費や販管費の経費は自分たちの手持ちの現預金で回すのが元来の考え方だと解説されています。

日本政策金融公庫の課長クラス以上の半数以上も同じことを言うと述べ、家賃のように売上に過度に連動しない費用は内部留保の利益・手持ちキャッシュで払うもの、その概念が抜けていることが問題だと指摘しています。

Q. 制度融資を使うと運転資金が長期になりやすいのはなぜですか?

A動画では、制度の設計そのものが長期・分割返済を標準にしていると説明されます。

セーフティネット保証の常態化、実質無利子・無担保融資の普及、据置期間付きの長期が標準で据置明けに返済が一斉に始まったこと、借換保証も長期分割で組成され返済額を下げる手段が期間延長に偏るため残高は減らず利息だけ増えること。結果として「運転資金=長期分割弁済」が固定化する。

制度が悪いのではなく、資金使途を分けずに使っていることが問題だと結論づけています。

Q. 経営者はまず何から始めればいいですか?

A動画のまとめでは、まず自社の借入を分解し、残高のうちいくらが経常運転資金見合いなのかを算定するところから始まるとされています。

そのうえで経営計画を作り、損益計画と資金繰り表、貸借対照表の年間予測値まで出すこと。篠﨑さんの視点として「銀行を責めても融資条件は変わらない。変わるのは経営者が資金使途を分けて説明できるようになった時」と締められています。

Q. なぜ銀行は短期融資を避けて長期を勧めてくるのですか?銀行員の本音は?

A動画では、篠﨑さんが某地銀の常務に「なぜほとんどの金融機関は長期で経常運転資金に対応しているのか」と直接尋ねたときのやりとりが紹介されます。

返ってきた答えは「我々が儲からないじゃん」。長期でゆっくり返してもらえば期間が長い分だけ利息が取れる一方、短期は借りて返してで売上の増減とバランスが取れる。篠﨑さんは「短期でお金を出したって利益は取れる、だったら知恵を売ればいい」と反論しています。

解説者

篠﨑啓嗣(株式会社しのざき総研)
財務博士・元銀行員(株式会社しのざき総研 代表)。専門分野:財務・銀行融資。

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