【社長が知りたい銀行融資No.3】銀行借入金の毎月返済額を軽くする4つの手と、正しい順番を元銀行員が解説します【YouTube更新】
銀行借入の毎月の返済負担が重いとき、どうすれば軽くできるのか。検討する順番はどうあるべきか。
順番を飛ばすと信用を失ってから気づくことになる、というのが理由です。返済の重さは感覚ではなくDSCR(税引後利益+減価償却費÷年間元利金返済額、分母は総借りで計算)で測り、1.0を切ると黒字でも借り続けないと回らない状態、最低1.3倍・できれば2倍に戻す設計をすると解説されています。
A社の事例では、すべて長期借入で借入総額1億2,000万円・月々の元金返済125万円・年間1,500万円・DSCR0.8倍という状態から、運転資金5,000万円を短期継続融資へ振り替えるだけで年間返済714万円・DSCR1.53倍になり、危険水域を脱出します。
借入残高は1円も減っていないのに、毎月の返済だけが減る形です。②③は毎月の返済が下がる代わりに金利上乗せ・追加担保・総支払利息の増加を伴い、④のリスケに入ると全行同一歩調で新規融資は原則停止、債務者区分は要管理先へ2ランク下がると説明されています。
この動画の要点(篠﨑氏の発言から)
しのざき総研の篠﨑氏は
『順番を飛ばすと 信用失ってから気づくことになります』
と指摘する(動画 1:32 付近/4つの打ち手は①から順に検討する、という結論を述べた直後の一言。)
しのざき総研の篠﨑氏は
『3つとも、社長の努力不足ではなくて 借り方の問題だから 直そうと思ったら 直せるということよ』
と指摘する(動画 4:58 付近/返済が重くなる3つの原因を説明し終えたあとの総括。)
しのざき総研の篠﨑氏は
『私の視点はDSCRが1倍を切っている会社は 黒字でも借り続けないと回らないんだよ』
と指摘する(動画 8:13 付近/DSCRの判定目安(最低1.3倍、できれば2倍)を示した場面。)
しのざき総研の篠﨑氏は
『金利で考えないでください 資金繰りで見てください』
と指摘する(動画 9:26 付近/手段②借換一本化で金利が高くなるケースがあると説明した直後の助言。)
しのざき総研の篠﨑氏は
『私の視点は 借り入れ残高は1円も減ってない 減ったのは 毎月の返済の元金返済だけ』
と指摘する(動画 12:14 付近/A社が運転資金5,000万円を短期へ振り替えた効果(DSCR0.8倍→1.53倍)を解説した場面。)
よくある質問(この動画が答えていること)
Q. 銀行への毎月の返済が重いとき、まず何をすればいいですか?
A動画では、返済を軽くする打ち手は4つあり、①資金使途の入れ替え ②借換一本化 ③期間延長 ④リスケジュール、を①から順に検討すると解説されています。順番を飛ばすと「信用を失ってから気づくことになる」ため、①で解決できないかを必ず先に確認するのが原則です。
Q. 毎月の返済が重くなってしまう原因は何ですか?
A動画では、返済が重い会社に共通する3つの要因が挙げられています。
いずれも社長の努力不足ではなく「借り方の問題」なので直せる、と説明されています。
Q. 運転資金を長期の借入で調達するのは絶対にダメなのですか?
A動画では、分かったうえで資金コントロールしているなら「その限りではない」と述べられています。
具体的には、銀行と3年後(36ヶ月分)までの精度の高い損益計画と、それに連動した資金繰り計画を組んだうえで、出てくるキャッシュフローのDSCRが2倍以上になっているなら長期で使ってもよい、という条件付きです。
ただし、そこまで綿密に計算している中小企業は少ないとも指摘されています。
Q. 借入の本数が多いと何が問題なのですか?
A動画では、借入が10本、15本と積み上がると毎月どこかで引き落としがかかり、全体像を把握できないまま資金繰りだけが苦しくなると説明されています。篠﨑氏が見た最多の事例は運転資金の長期借入が60本で、支援に入って半年かけて20本まで減らしたものの「それでも多い」と語られています。
Q. 返済負担の重さはどうやって測ればいいですか?DSCRの目安は?
A動画では、感覚ではなくDSCRという数字で測ると解説されています。
DSCRは税引後利益に減価償却費を足したものを、年間の元金と利息の合計額で割った指標です。例に出たA社はDSCR0.8倍、月商対比の返済比率5%(3%を超えると資金繰りに効いてくる)。
判定の目安は「できれば2倍以上、最低でも1.3倍」で、1.0を切ると黒字でも借り続けないと回らない状態だと説明されています。
Q. DSCRの分母になる年間元利金返済額から、運転資金分は除いていいですか?
A動画の中で聞き手から同じ質問が出ています。答えは「総借り」、つまり経常運転資金分も含めた借入全体の年間元利金返済額で計算する、というものです。運転資金だけを除いて有利に見せるのではなく、実際に出ていく返済の合計で測ります。
Q. 「資金使途の入れ替え」とは具体的に何をするのですか?
A動画では、長期借入になっている運転資金を、短期継続融資や当座貸越へ振り替えることだと説明されています。
4つの打ち手の中で「信用に傷がつかない唯一の手段」と位置づけられており、①〜③は通常取引の範囲、④のリスケに入った瞬間に債務者区分が要管理先へ落ちるため、この線を越える前に打てる手を全部打つべきだと述べられています。
Q. 短期継続融資への振替ができない業種はありますか?
A動画では、現金商売である飲食店や小売業は原則として短期継続融資がないため、この手は使えないと説明されています。
その場合は次の手段である借換一本化・組み換えになります。逆に、原材料や商品の仕入れ、売掛と買掛の差額などで立替期間が生じるBtoB(法人対法人)の取引であれば、資金使途の入れ替えを検討できるとされています。
Q. 運転資金を短期に振り替えると、毎月の返済はどれくらい変わりますか?
A動画のA社事例では、すべて長期借入で借入総額1億2,000万円、月々の元金返済125万円、年間元金返済1,500万円、DSCR0.8倍という状態でした。
ここから運転資金5,000万円を短期に振り替えると、5,000万円部分の返済負担がゼロになり、年間返済は714万円、DSCRは1.53倍となって危険水域を脱出します。借入残高は1円も減っていませんが、毎月の返済だけが減る形です。
Q. 借換一本化や期間延長をすると、何が得られて何を失いますか?
A動画では、得るものとして「毎月の返済額が下がり資金繰りが安定する」「借入本数が減り管理と交渉が単純になる」「据置期間を設定できる場合がある」「返済日が揃い月次の予測が立てやすくなる」が挙げられています。
一方、失うもの・代償は「金利が上乗せされることが多い」「追加の担保・保証協会の保証を求められる」「当面、新規融資は出にくくなる」「総支払利息は確実に増える」。一本化は最後から2番目のカードだと位置づけられています。
Q. 一本化すると金利が上がりますが、それでもやるべきですか?
A動画では「金利で考えないでください、資金繰りで見てください」とはっきり述べられています。
過去に借りた安い金利と比べれば今の金利は上がってきているため、金利だけで選ぶと判断を誤るという趣旨です。総支払利息が増えるのはしょうがない、資金繰りが楽になるのだから、と説明されています。一本化では返済期間を7年ほど伸ばす例も挙げられています。
Q. リスケジュールをすると、会社にはどんな影響がありますか?
A動画では、リスケでできるのは元金返済の一時停止・減額で、原則1年ごとの更新だと説明されています。
一部の銀行だけ止めることは原則できず、全行同一歩調になります。失うものとして、新規融資(ニューマネー)が受けづらくなり、債務者区分は要管理先へ2ランク下げられます。リスケ中の設備投資は自己資金前提で考えるべきだとも述べられています。
Q. リスケを申し込むとき、社長は何を準備すればいいですか?
A動画では、必要な書類として経営改善計画書、月次試算表、資金繰りの実績と予定が挙げられています。
そのうえで社長がやることは、資金繰り表で「止めれば回る」ことを明確に示すこと、計画は数字だけでなく実行担当と期限まで書くこと、取引全行の借入明細を1枚にまとめておくこと。
さらに、一時点ではなく一定期間の制約条件を頭に入れて相談することが勧められています。
解説者
篠﨑啓嗣(株式会社しのざき総研)
財務博士・元銀行員(株式会社しのざき総研 代表)。専門分野:財務・銀行融資。
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