【銀行新規開拓シリーズNo1】社長が自ら銀行開拓すると疑われる理由について元銀行員が解説します【YouTube更新】
なぜ社長が自分で銀行を開拓できないのか?
銀行は新規の飛び込み申込を、決算書を読む前に「メインバンクと何かあったのでは」と読むからです。元銀行員で財務コンサルタントの篠﨑啓嗣氏(しのざき総研)によれば、銀行が新規先を見る順番は①来訪の経緯 → ②資金使途 → ③決算内容で、決算書は最後。
しかも業績の良い会社ほどメインバンクに囲い込まれているため、自力で他行の窓口に現れる会社は「メインで満たされなかった先」と推定されます(逆選択の構造)。
実際、自己資本比率40%・黒字継続の会社でも「その内容ならメインさんが対応されるのでは」と面談が終わり、無借金経営の会社も返済実績がないことを理由に見送られます。
銀行の新規開拓は「銀行から声をかける」のが原則であり、経営者側からの入り口はもともと狭い——この構造を理解することが、銀行開拓の第一歩です。
この動画の要点(篠﨑氏の発言から)
しのざき総研の篠﨑氏は
『銀行が最初に見てるのは決算書じゃなくて、この会社は「なぜうちに来たか」経緯だよ』
と指摘する(動画 5:56 付近/誤解①「財務内容さえ良ければどの銀行でも借りられる」への回答)
しのざき総研の篠﨑氏は
『だから長期でもいいから、1回金借りてやれって。これ上から目線じゃなくて返済実績作っておくのは大事。500万円でも1000万円でもいいから』
と指摘する(動画 14:28 付近/無借金経営が見送りになる構造への助言)
しのざき総研の篠﨑氏は
『金利は最大の節税ですから』
と指摘する(動画 17:05 付近/金利の安さだけで銀行を選ぶことへの警鐘)
しのざき総研の篠﨑氏は
『開拓できないのは、会社の実力不足ではありません。銀行側の「入口の仕組み」の問題です。だからこそ、実力を上げるより先に、入口を変えたほうが結果は早く変わります。』
と指摘する(動画 23:28(動画内の対応発言) 付近/第1回の総括)
よくある質問(この動画が答えていること)
Q. 決算書の内容が良ければ、新しい銀行でも融資を受けられますか?
A受けられるとは限りません。
動画では「財務内容さえ良ければどの銀行でも借りられる」は誤解の筆頭とされています。銀行が最初に見るのは決算書ではなく、「この会社はなぜ当行に来たのか」という経緯です。
近年はマネーロンダリング対策の観点もあり、素性の分からない新規先には内容が良くても慎重にならざるを得ない、と元銀行員の篠﨑氏は解説しています。
Q. 銀行の支店に行けば、まず話は聞いてもらえますか?
A窓口で必ず聞かれるのは「資金使途(使い道)」と「現在の取引銀行」の2つで、この2つの答え方でその場の空気が決まります。
メインバンクに相談していない理由を説明できなければ、話が先に進む前に警戒されます。ドラマにあるような「頭を下げて回って貸してもらう」やり方は、元銀行員から見れば無駄な抵抗だと動画では語られています。
Q. 融資を断られたのは、決算内容が悪かったからでしょうか?
Aそうとは限りません。
銀行は本当の謝絶理由を伝えず、「今回は総合的に判断して見送ります」という言い方をします。その「総合的」の中身は、資金使途への疑問や「決算書に何か隠れているのでは」という疑念であることが多いと動画では解説されています。篠﨑氏自身も自社で謝絶された際に「総合的に」とだけ言われた実体験を紹介しています。
Q. 銀行は飛び込みの新規申込をどう見ていますか?
A3つの疑念で読まれます。
この3つが晴れない限り、決算書は最後まで読み込まれません。
Q. なぜ財務内容が良い会社ほど疑われるのですか?
A「逆選択」という構造のためです。
業績の良い会社にはメインバンクから増額提案・金利優遇・情報提供が先に届くため、外に出る理由がありません。だから自力で他行の窓口に現れる会社は「メインで満たされなかった先」と推定され、財務が良いほど「その内容でなぜメインではないのか」という違和感が強くなります。良さが逆に働くのです。
Q. 財務が良くても融資を断られる典型パターンはありますか?
A動画では3つ挙げられています。
共通点は、財務ではなく「来た経緯」で切られていることです。
Q. 無借金経営は銀行融資に有利ですか?
Aむしろ不利に働くことがあります。
借入実績がないため銀行が返済履歴で判断できず、いざ資金が必要になったとき「貸したくても貸せない」状態になりがちです。篠﨑氏は「長期でもいいから1回借りて、500万円でも1000万円でもいいから返済実績を作っておくことが大事」と助言しています。
お金を借りて回転をかけ、売上と利益を上げるという発想を持つことが重要だと動画では語られています。
Q. 銀行がプロパー融資で信用する会社の目安はありますか?
A動画で示された入り口の目安は「3期連続で年商3億円以上・自己資本比率30%以上・営業利益1000万円程度」です。
ただし篠﨑氏によれば、銀行の本音では「内部留保(利益の積み増し)が最低1億円超・会社設立から10年以上」が信用の実質ラインとされています。篠﨑氏自身も内部留保1億2000万円・創業13年目の実績で商工中金からプロパー融資を受けた実例を紹介しています。
Q. 銀行は自分たちでどうやって新規融資先を開拓しているのですか?
A銀行主導の4ステップが原則です。
このルートには「なぜこの会社なのか」という経緯が最初から存在します。
Q. 銀行から融資を提案されたら、すぐ受けるべきですか?
Aすぐに飛びつかないのがコツだと動画では語られています。
銀行からの提案にすぐ決算書を出してしまうと「保証協会付きで」と言われがちです。最初は「いや大丈夫です」と余裕のある態度を見せることで、プロパー融資など良い条件を引き出しやすくなる——篠﨑氏はこれを「嫌よ嫌よも好きのうち」のイメージと表現しています。
Q. 自力で銀行開拓に失敗すると、どんなリスクが残りますか?
A3つのリスクが挙げられています。
自力開拓の失敗は、次の一手の選択肢を確実に狭めます。
Q. 社長が銀行を開拓できないのは、会社の実力不足なのでしょうか?
A実力不足ではありません。
動画の結論は「銀行側の入り口の仕組みの問題」です。銀行の新規開拓は銀行から声をかけるのが原則で、経営者側からの入り口はもともと狭く設計されています。だからこそ、実力を上げるより先に「入り口」を変えたほうが結果は早く変わる、というのが篠﨑氏の視点です。
具体的な入り口の変え方は、本シリーズの続編(第2回『銀行の中で新規融資はこう扱われている ― 稟議の重さ』以降)で解説されます。
解説者
篠﨑啓嗣(株式会社しのざき総研)
財務博士・元銀行員(株式会社しのざき総研 代表)。専門分野:財務・銀行融資。
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