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【運転資金の借り方シリーズNo.5】運転資金の短期・長期の使い分けるだけで現金が残る理由について元銀行員が解説します【YouTube更新】

運転資金を短期と長期で使い分けると、なぜ手元に現金が残るのか?

この動画の結論

運転資金を短期と長期で使い分けると、経常運転資金の元金返済が止まり、毎月出ていく返済総額が減るため手元に現金が残ります。

動画では年商3億円のモデルで、5,000万円を7年返済している会社が経常運転資金3,000万円を短期継続融資に切り替え、残り2,000万円を7年返済のままにすると、毎月の返済が71万4000円から28万6000円に下がり、年間428万円のキャッシュが増えると解説されています。

効果はそれだけではなく、短期継続融資の残高は正常運転資金として要償還債務から控除されるため、債務償還年数が13.3年から8.9年に改善し、正常先の目安とされる10年以内に入って格付けが上がります。

さらに、運転資金で使っていた返済余力が空くことで設備投資に回せる借入枠が生まれます。一方で、書換を断られるリスクや金利上昇局面などの注意点もあり、現実的な着地点は「経常運転資金の6〜7割を短期、残りは長期」で、全額短期を狙うよりまず一部を切り出す方が確実に通るとされています。

この動画の要点(篠﨑氏の発言から)

しのざき総研の篠﨑氏は

『銀行から提案されたときに この表を頭に置いて 「それは何の資金ですか」 って聞き返せるかどうか それだけで条件って ガラッと変わるというのは』

と指摘する(動画 9:23 付近/資金使途ごとの借り方の原則マップを説明した後、銀行の提案を受けたときの経営者の対応として述べた「篠﨑の視点」)

しのざき総研の篠﨑氏は

『利息が増えても 元金返済が止まれば キャッシュは残るわけだよ 見るべきは金利ではなく 毎月出てく総額で見てくってね』

と指摘する(動画 15:14 付近/効果①(年商3億円モデルで毎月の返済が71万4000円から28万6000円になる事例)の締めとして)

しのざき総研の篠﨑氏は

『短期に切り替わることは 返済を軽くするだけではなくて 銀行から見た自社の評価そのものを 引き上げる行為なんだよね』

と指摘する(動画 18:58 付近/効果②(債務償還年数が13.3年から8.9年に改善し格付けが上がる)の締めとして)

しのざき総研の篠﨑氏は

『全額短期を狙うより まず一部を切り出した方が 確実に通るだろうね』

と指摘する(動画 24:31 付近/短期継続融資の4つのリスクを説明し、現実的な着地点を「経常運転資金の6〜7割を短期、残りは長期」とした直後)

しのざき総研の篠﨑氏は

『運転資金を長期で借りるな これは銀行への反発ではなく 資金使途に合った借り方に戻そうという ただそれだけの話です』

と指摘する(動画 29:06 付近/シリーズ全5回のまとめの最後に述べた「篠﨑の視点」。続けて金融庁が長期の運転資金をやめろと言ったと補足)

よくある質問(この動画が答えていること)

Q. 運転資金の短期と長期を使い分けると、どんな効果がありますか?

A動画では、使い分けができるようになると

①毎月の返済負担が軽くなる、
②債務償還年数が改善して格付けが上がる、
③設備投資に回せる借入枠が新たに生まれる、という3つの効果が同時に効いてくると解説されています。

赤字補填のように事業から回収されない資金は長期で借りてよいが、それ以外の運転資金は基本的に短期で借りるのが原則とされています。

Q. 運転資金はどの資金使途なら短期、どれなら長期で借りるべきですか?

A動画の「使い分けの原則マップ」では、経常運転資金は短期継続融資・当座貸越で元金返済なし、増加運転資金は短期の手形貸付で売上入金から返済、季節資金(仕入・賞与・納税)は3〜6か月の手形貸付で期日一括返済、つなぎ資金(建設業の工事資金など)は入金時に一括返済、設備資金は法定償却年数以内の証書貸付(長期)、赤字・特別損失は長期の証書貸付か借換で利益から分割返済と整理されています。

赤字補填以外の運転資金は基本短期で、つなぎ資金を長期で借りると「詰んじゃう」と注意されています。

Q. 短期継続融資は「すぐ返さなければいけない」「更新されなければ一括返済」ではないのですか?

A動画では、経常運転資金は事業を続けている限り寝ているお金なので、短期継続融資は1年ごとに見直しをしても増減を確認するだけで、元金を返していく性質のものではないと解説されています。

「過去に引き剥がされた」という抗弁に対しては、確かに昔はあったが今はしておらず、仮に業況が悪化しても当座貸越で枠を取っているものは5年の分割弁済で長期にシフトするだけだと述べられています。「短期=返済負担が重い」「業績が悪くなったら二度と融資を受けられない」は間違った情報だとしています。

Q. 増加運転資金はどう借りればいいですか?

A動画では、増加運転資金にはレギュラー資金とスポット資金の2通りがあると解説されています。

取引先の増産で自社の売上が継続的に上がるならレギュラーの仕事なので当座貸越の枠を増やしてもらえばよく、新規・一時的な売上ならスポットです。

売上の出所がどこか、どの程度継続するかを見据えて申し込むことが前提で、保証協会付きの5年の長期ばかりにすると、借りたお金がどの売上に対応しているか紐付けできなくなると指摘されています。

Q. 赤字を補填する運転資金はどう借りればいいですか?

A動画では、赤字補填の運転資金は長期で借りるべきもので、プロパーでは出にくいため保証協会や政府系金融機関、商工中金を使うケースが多いと解説されています。

その際は改善計画を出し、経常利益が正常化するまでの間は元来返せないお金なので、1年なら1年、2年なら2年の元金据え置きを前提に組む必要があるとしています。

既存融資は直近決算に基づき期限の利益が一本ごとに確定しているので返済義務があるが、本件の赤字補填は直近の赤字を利益償還していく前提だから、と理由が説明されています。

Q. 銀行に短期で借りたいと伝えるとき、どう言えばいいですか?

A動画では、単に「短期で」と言うと「1年ですか?」と受け取られるため、「短期継続融資」「当座貸越」と融資の種類を具体的に言い、「元金返済なしの形で」と返済の形まで伝えるべきだと解説されています。

銀行から提案されたときは、資金使途ごとの借り方の表を頭に置いて「それは何の資金ですか」と聞き返せるかどうかで条件が変わるとされ、ケーキ屋の例えで「プリンが食べたいならプリンと言いなさい」と、欲しい融資を自分から名指しする大切さが語られています。

Q. 銀行に「当座貸越はやっていない」「資金使途が不明瞭」と言われたらどうすればいいですか?

A動画では、特に信用金庫などで「当座貸越、うちやってません」と言われることがあるが、実際には商品としてあると指摘されています。

「当座貸越は資金使途が不明瞭」という説明に対しては、資金使途がわからない融資は存在せず、翌月に試算表を提出させれば管理できるはずで、答えられないのは管理が面倒なだけだと話者は反論しています。

銀行員側の簿記や財務会計の基礎知識不足が原因でお客様に非はないので、銀行のことが分かる通訳者を立てるか、こちらから言っていくしかないとされています。

Q. 短期継続融資に切り替えると、毎月の返済はどれくらい軽くなりますか?

A動画では年商3億円程度のモデルで解説されています。

5,000万円を7年で返済すると毎月71万4000円の返済ですが、このうち経常運転資金3,000万円を短期継続融資に切り替え、残り2,000万円を従前どおり7年返済にすると、毎月の返済は28万6000円になります。

年間では428万円のキャッシュが増える計算で、同じ融資を受けていても借り方で手元資金が変わります。返済原資900万円に対して返済が286万円に収まるため、設備資金の返済300万円を加えても余裕があり、翌年の借り増しが不要になるとされています。

Q. 長期で借りた運転資金の返済原資は何ですか?

A動画では、長期借入の返済原資はフリーキャッシュフロー、すなわち経常利益に減価償却を足して法人税を引いたものだと解説されています。

毎月71万4000円の返済なら年間900万円弱のキャッシュフローがなければ返せませんが、短期化して28万6000円になれば300万円ちょっとで済みます。返済原資に対する返済額の比率が変わるため、債務償還年数の計算結果も変わり、格付けの改善につながると説明されています。

Q. 短期継続融資で債務償還年数と格付けはどう変わりますか?

A動画では、債務償還年数は(有利子負債−現預金−正常運転資金)÷(税引後利益+減価償却費)で計算され、短期継続融資の残高は正常運転資金見合いとして要償還債務から控除できると解説されています。

有利子負債1.5億円・現預金3千万円のモデルで、現状13.3年が正常運転資金4千万円の控除で8.9年に改善します。中小企業の平均は15年程度、正常先の目安は10年以内で、格付けが上がれば適用金利の見直しを申し入れる根拠が生まれるとされています。

Q. 運転資金を短期化すると設備投資にどう影響しますか?

A動画では、運転資金の元金返済が止まると限られた返済原資が空き、その分を設備資金の返済に充てられるため、設備投資と成長に借入枠を回せると解説されています。

債務償還年数が改善していれば新規の設備資金は投資に見合う借入として審査に乗せやすく、毎月の固定的な返済額が減るため季節の波や売上変動を吸収できる余裕も生まれます。

資金使途を語れる会社には複数行が提案してくるため条件を比較して選べる立場になるとし、設備資金はリースや割賦を使う手もあると補足されています。

Q. 短期継続融資のリスクと対策は何ですか?

A動画では4つ挙げられています。

①書換を断られるリスク(業績悪化・方針変更で更新されなければ期日一括返済)→全額を短期にせず長期と併用。
②金利上昇局面(短期は金利改定が早い)→長期部分を固定にして金利変動を抑える。
③枠の使い切り(当座貸越を常時満額で使うと追加融資が利かない)→常に2〜3割の余枠を残す。
④担当・支店長の交代で経緯が引き継がれない→算定根拠と資料提出の履歴を書面で残し毎年更新。

現実的な着地点は経常運転資金の6〜7割を短期、残りは長期で、全額短期より一部を切り出す方が確実に通るとされています。

Q. 短期継続融資への切り替えは、何から始めればいいですか?

A動画では5ステップで解説されています。

①直近3期の売上債権+棚卸資産−仕入債務で経常運転資金を算定(向こう3年分も作る)、
②借入明細で残高を運転・設備・赤字補填・他行返済に切り分け、
③メイン行に「経常運転資金◯◯万円の範囲を短期継続融資に切り替えたい」と根拠資料を添えて打診、
④短期にできない部分は借換・一本化で期間を延ばし毎月の返済額を下げる、
⑤試算表と資金繰り表を毎月提出して書換継続の根拠を渡し続ける。

話者は④で毎月の返済を2,000万円から400万円程度に下げ、年間1億9200万円軽くした事例を挙げています。

Q. 月次試算表が毎月出てこない場合はどうすればいいですか?

A動画では「会計事務所を変えればいい」と端的に答えられています。

翌月遅くとも10日か15日までに月次試算表が出せないと、短期資金を導入しても毎月の資料提出ができなくなり、書換が更新できなくなる悲劇が普通に起こるからです。

会計事務所は出せない理由を一緒に潰すコンサルティングをせず、その結果に責任も取らないと指摘し、しのざき総研では会計事務所の紹介も行っていると述べられています。

Q. 運転資金の借り方シリーズ全5回のまとめは?

A動画では「運転資金は借り方で決まる」と総括されています。

①構造を知る(第1回):長期になっているのは銀行側の都合で会社の信用の問題ではない。
②相手を知る(第2回):銀行員が稟議を書ける材料を渡すのは経営者の仕事。
③自社を判定する(第3・4回):実態純資産・経常運転資金・回転期間と資金の回り方で可否が決まる。
④使い分ける(第5回):返済が軽くなり格付けが上がり次の投資余力が生まれる。

まず直近3期の経常運転資金を計算し借入明細を資金使途で切り分けることから始める。「運転資金を長期で借りるな」は銀行への反発ではなく資金使途に合った借り方に戻す話で、金融庁も長期の運転資金をやめろと言っているとされています。

解説者

篠﨑啓嗣(株式会社しのざき総研)
財務博士・元銀行員(株式会社しのざき総研 代表)。専門分野:財務・銀行融資。

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