【格言シリーズ】倒産に不思議の倒産なし|負けの原因は決算書に残っている。勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし、に学ぶ中小企業経営の要諦について徹底解説します【YouTube更新】
なぜ会社は倒産するのか?倒産の原因は決算書のどこに表れるのか
財務博士の篠﨑氏は動画でこう結論づけています。野村克也監督の格言「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」を「倒産に不思議の倒産なし」と読み替え、銀行員として社会人になってから33年間で3000社以上の決算書を見て、原因のない倒産は1件もなかったと語っています。
動画では、特需・円安差益・補助金などによる「不思議の勝ち」を実力と勘違いする危険と、銀行が信用格付で3期を比べて悪化の兆候を先に探している実態が解説されています。
負けの痕跡として挙げられているのは、
2つ重なれば構造的な問題、3つ重なれば銀行はすでに要注意先として見ていると説明されています。社長が銀行より先に負けの原因を読めるかどうかが財務力の正体だ、というのが動画の結論です。
この動画の要点(篠﨑氏の発言から)
しのざき総研の篠﨑氏は
『社長が銀行より先に 負けの原因を読めるかどうかが財務力の正体です』
と指摘する(動画 2:14 付近/冒頭で今回の結論として述べた一言。銀行は決算書に残る痕跡を読んでいる、という説明に続く。)
しのざき総研の篠﨑氏は
『3000社以上の決算書を見てきましたけど 原因のない倒産って、 すみません、1件もないです』
と指摘する(動画 7:59 付近/格言を「倒産に不思議な倒産なし」と読み替えた理由として、銀行員時代から33年間の経験を語った場面。)
しのざき総研の篠﨑氏は
『5つとも決算書だけで計算できる/1つなら一時的/2つ重なれば構造的/3つ重なれば 銀行はすでに要注意』
と指摘する(動画 19:00 付近/決算書に残る「負けの痕跡」5指標を説明した後の判断の目安。)
しのざき総研の篠﨑氏は
『好業績の年に打った手が 3年の資金繰りを決める』
と指摘する(動画 21:50 付近/「不思議の勝ち」に潜む罠の章のまとめ。野村監督の「勝った試合ほど反省しろ」を中小企業経営に当てはめた発言。)
しのざき総研の篠﨑氏は
『原因は決算書に必ず残ってます/銀行員より先にそれを読む社長に なっていただきたいんですね』
と指摘する(動画 25:09 付近/動画全体の締めくくり。「融資謝絶に不思議の謝絶なし」と続けた後のメッセージ。)
よくある質問(この動画が答えていること)
Q. 「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」は経営ではどういう意味?
A動画では野村克也監督の格言として紹介されています。
篠﨑氏はこれを「倒産に不思議の倒産なし」と読み替えています。好業績は特需や円安などの偶然で起きることがある一方、資金繰りの悪化・融資の謝絶・倒産には必ず原因があり、その原因は2〜3年前から決算書に痕跡として残っていると解説されています。
銀行員として社会人になってから33年間で3000社以上の決算書を見て、原因のない倒産は1件もなかったと語っています。
Q. 中小企業にとっての「不思議の勝ち」とは具体的に何?
A動画では「不思議の勝ち=偶然の好業績」と定義されています。
例として挙げられているのは、特需、大口の受注、円安による差益、補助金、材料の一時的な値下がりです。どれも自社の実力ではなく外部の要因で出た黒字で、翌期には消えるのに、社長は実力だと勘違いしやすいと指摘されています。
事業再構築補助金のバブルで一時的に稼いだ人の例も紹介され、こうした勝ちは長く続かないと語られています。
Q. 偶然ではなく「勝って当たり前」のやり方で勝つにはどうすればいい?
A動画では、経営のフレームワーク(分析の型)を使って自社の強みと機会を知ることが大事だと解説されています。
具体的にはPESTLE分析、SWOT分析・クロスSWOT、3C分析、VRIO分析です。そのうえで積極戦略に持っていくよう勧めています。篠﨑氏は、経営者はプロのはずなのに、こうした道具の存在も使い方も知らず、銀行に言われるがままの付き合いをしていると指摘しています。
Q. 資金繰りの悪化や融資の謝絶の原因はどこに表れる?
A動画では「不思議の負けなし=原因のある悪化」と説明されています。
資金繰りの悪化、融資の謝絶、短期融資の書き換えの停止、資金の枯渇には、すべて原因があります。その痕跡は決算書と試算表(月次の集計表)に残ると解説されています。「運が悪かった」で片付く負けは存在せず、責任はすべて経営者にあるというのが篠﨑氏の立場です。
Q. 銀行は決算書から会社の悪化をどう見つけている?
A動画によると、銀行の信用格付(貸出先の評価)は3期を比べて行われます。
銀行は好業績よりも悪化の兆候を先に探しており、その理由は「断る理由を見つけたいから」だと解説されています。社長が気づく前に銀行員が兆候を見つけている会社は珍しくありません。銀行員に先に読まれた会社は、理由も分からないまま銀行の融資姿勢が変わると指摘されています。
Q. 赤字になりそうなとき、銀行にはいつ伝えればいい?
A動画では、上場を目指している会社の社長の例が紹介されています。
この社長は赤字が出そうだと思ったら数ヶ月前に銀行へ伝えて説明しており、その結果、銀行は安心し、当貸(当座貸越。決まった枠内でいつでも借りられる融資)の枠がむしろ増えたそうです。篠﨑氏はこれを「答え」だとしています。
社長が先に負けの原因を読み、手を打ってから説明すれば、銀行は枠を広げる方向に動くと解説しています。
Q. 決算書でチェックすべき「負けの痕跡」5つの指標とは?
A動画で挙げられているのは次の5つです。
いずれも決算書だけで計算でき、1つなら一時的、2つ重なれば構造的、3つ重なれば銀行はすでに要注意で見ていると解説されています。
Q. 売上や粗利率が下がると、銀行はどう判断する?
A動画によると、売上高が2期連続で減少すると、銀行は「市場の問題か、営業の問題か」を面談で聞いてきます。
市場そのものが縮小している場合、銀行の融資は撤退する方向に動くと解説されています。粗利益率が3期で2ポイント以上下がると営業利益も下がり、薄利多売の会社では赤字になることもあります。そのため銀行は「値上げできない会社」と判断すると説明されています。
Q. お金を借りて現預金を増やせば安全?
A動画で篠﨑氏は、「とにかく借りまくって現金預金を増やせ」という主張に対し、元銀行員の立場から、銀行員は借入金依存度をはっきり見ているのでやめてほしいと述べています。
利益が1億円あっても、現金として残るのは60〜80%ほどです。月商2500万円なら2ヶ月ちょっとから3ヶ月分にしかなりません。前金で受け取るか、借入で現金を積み増しでもしない限り月商6ヶ月分にはならないので、鵜呑みにしないよう呼びかけています。
Q. 現預金は月商の何ヶ月分あれば安全?
A動画では、現預金の月商対比(手元流動性=すぐに使えるお金の厚み)が1ヶ月分を下回ると危険だと解説されています。銀行はこの指標から資金繰りが破綻するリスクを最優先で見ています。そのうえで篠﨑氏は、できれば月商の2ヶ月分ぐらいはあった方がよいとしています。
Q. 好業績の年こそ危ないと言われるのはなぜ?
A動画では、特需で売上が3割増えて翌年も続くと見込み、人や設備を増やす、黒字を見て役員報酬と固定費を上げる、銀行に勧められて設備資金を長期で借りる、といった動きが危ないと解説されています。
特需が終わって売上が戻ると、増えた固定費と返済だけが残り、2年後には黒字だった年より資金繰りが苦しくなります。うまくいく会社は黒字を「特需分」と「実力分」に分けて把握し、特需分の利益を現預金と借入余力に残していると説明されています。
Q. 銀行は融資の判断で、どこを見て会社の行き詰まりを予測している?
A動画によると、銀行は格付で予測しており、ポイントは4つです。
篠﨑氏は③と④が特に大事で、銀行員は何も言わずにポーカーフェイスで減点していると指摘しています。動画の資料では、債務償還年数は借入金÷(税引後利益+減価償却費)と示されています。
Q. 倒産を防ぐために社長が今日からできることは?
A動画のまとめでは3つの行動が示されています。
Q. 会社のお金で資産運用をしてもいい?
A動画で篠﨑氏は、銀行が嫌がるため、会社で財務の投資(金融商品での運用)は基本的にしないよう助言しています。
本人も「財務投資はしない、事業投資はする」と使い分けているそうです。一方、経営者個人では分散投資などの資産運用で別にお金を残すよう勧めています。個人で月商の最低1ヶ月分、つまり年商3億円の会社なら2500万円ぐらいを会社に入れられるお金として持っておくのが目安だと語っています。
解説者
篠﨑啓嗣(株式会社しのざき総研)
財務博士・元銀行員(株式会社しのざき総研 代表)。専門分野:財務・銀行融資。
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